エアコンといえば、電気で動くイメージがある方が多いと思います。
しかし、世の中には電気ではなく、都市ガスやLPガスで動くエアコンもあります。
それが「ガスヒートポンプエアコン(GHP)」です。
今回は
などを解説していきます。
ガスヒートポンプエアコン(GHP)とは「ガスで動くエアコン」
ガスヒートポンプエアコン(GHP)とは、都市ガスやLPガスを燃料に動くエアコンのことです。

「ガスエンジンヒートポンプエアコン」と言ったほうが分かりやすいと思います。
ガスヒートポンプエアコンには、”ガスエンジン(ガスで動くエンジン)”が室外機に内蔵されています。
このエンジンでコンプレッサーを回して、冷暖房をするというエアコンが「ガスヒートポンプエアコン」です。
ガスヒートポンプエアコンの写真がこちらです↓
エンジンが内蔵されている分、同等能力のエアコンよりも大きいです。
また、エンジンのメンテナンスも必要となります。自動車と同じようにオイル交換もしなくてはなりません。
なぜガスヒートポンプエアコンを使う必要があるのか?
メンテも必要で大きいガスヒートポンプエアコン。
なぜ、わざわざガスヒートポンプエアコンを使う必要があるのでしょうか?
ガスヒートポンプエアコンは「消費電力が少ない」
その理由は「ガスヒートポンプエアコンの消費電力の低さ」にあります。

エアコンの内部でもっとも電力を消費しているのは、「室外機のコンプレッサー」です。
コンプレッサーはエアコンに必要不可欠な部品ですが、圧縮を行うため、大量の電力を消費します。
ふつうはモーターでコンプレッサーを動かしますが、ガスヒートポンプエアコンではガスエンジンでコンプレッサーを回します。
モーターで回さない分、消費電力を大幅に下げることができます。
消費電力を下げることができると、必要な電気設備を減らすことができ、コストを大幅にカットできることがあります。
EHP(電気エアコン)とGHP(ガスヒートポンプエアコン)のどちらがよいかは、シミュレーションを行い、コスト面で有利なほうのエアコンを選択することが多いです。
ガスヒートポンプエアコンは「暖房に強い」
また、暖房性能が高いのもガスヒートポンプエアコンの特長です。
通常の電気エアコンでは、外気温の低下にともない、暖房性能が低下します。
しかし、ガスヒートポンプエアコンでは、エンジンの廃熱を活用することで、霜取りをなくしたり、極寒期でも安定した暖房を行うことができます。
このため、寒冷地では暖房性能を目的とし、ガスヒートポンプエアコンが選ばれることも少なくありません。
まとめ
今回はガスヒートポンプエアコンについてご紹介しました。
ガスヒートポンプエアコンのおもなメーカーは、以下の通りです。
- ヤンマーエネルギーシステム株式会社
- アイシン精機株式会社
- パナソニック産機システムズ株式会社
また、室外機のOEM提供を受け、下記メーカーでもガスヒートポンプエアコンを販売しています。
- ダイキン工業株式会社
- 日立グローバルライフソリューションズ株式会社
- 三菱重工サーマルシステムズ株式会社
ガスヒートポンプエアコンは、学校や飲食店など幅広い施設で使用されています。
EHPとGHPのどちらがコスト的に優れているかは、専門業者によるシミュレーションが必要となります。ガスヒートポンプエアコンを検討される際は、お近くの工事業者などにお問い合わせいただくことをおすすめします。
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