【注意】室外機用スプリンクラーは故障の原因になることも。腐食とスケールに注意!

エアコンのしくみ
この記事のポイント
  • エアコン室外機への散水は節電や冷房効果のアップに寄与する
  • 一方で、エアコン室外機の腐食やスケール(水垢)蓄積による故障リスクが高まる
  • 必ずエアコンメーカーが認定した専用の散水装置を取り付けること

今年も暑い季節がやってきました。

連日の猛暑でエアコンの電気代が気になるという方も少なくないのではないでしょうか?

近年、エアコンの節電や冷房効果のアップを目的として、エアコンの室外機に散水するシステムが普及してきています。

こうした散水装置はたしかに節電やエアコンの冷房効率を高める効果があります。一方で、室外機を腐食させたり、スケール(水垢)が室外機に付着し故障の原因となるといったデメリットもあります。

当記事ではエアコンの室外機に使用する散水システムの注意点について解説していきます。

エアコンの水噴霧システムは節電効果あり!

近年、エアコン室外機に水をかけることで、節電効果を狙った製品が販売されています。

環境省も室外機用の散水システム(水噴霧装置)に一定の節電効果があるとし、導入を提案する資料を公開しています。

800kWクラスの業務用エアコンにスプリンクラーを導入したところ、エネルギー消費量が10%削減できたという試算も紹介されています。

引用:環境省ホームページ

節電効果はあるが、室外機の腐食とスケールには要注意!

たしかに節電効果がある散水システムですが、注意したいポイントが2つあります。

  • 室外機フィンの腐食
  • スケールの蓄積

【注意点①】室外機フィンの腐食

まず注意したいのが室外機の腐食です。

室外機の背面・側面にあるフィンで放熱(冬は吸熱)を行っている。

エアコンの室外機は「熱交換器」というフィンを介して、熱交換(放熱)を行っています。散水システムはこの熱交換器のフィンに水をかけます。

しかし散水システムで継続的に水をかけるとフィンが腐食してしまうことがあります。

フィンが腐食してしまうと、熱交換効率が低下し、エアコンの性能低下につながる可能性があります。最悪の場合、冷媒配管に悪影響をもたらし高額な修理が必要となる可能性もあります。

【注意点②】スケールの蓄積

スケールの蓄積にも注意が必要です。

水道水や井戸水には多くの不純物が含まれています。これらの不純物を取り除かずにエアコンの室外機にかけ続けると、スケール(水垢)が室外機のフィンに堆積し、室外機の故障を招くことがあります。

定期的に室外機フィンの点検を行うなどの対応が必要です。

散水システムは必ずメーカーの設計マニュアルに従って取り付けること

こうしたトラブルを避けるため、散水システムを取り付けたい場合は、必ずメーカーの設計マニュアルに沿って取り付けることが大切です。

散水装置にはさまざまな使用条件が設定されています(引用:三菱重工機材カタログ2024)

まず、室外機が散水システムに耐えるだけの耐腐食性をもっていることを確認しましょう。

メーカーの技術マニュアルや機材カタログには、水質や求められる腐食対策など、散水システムに必要な要件が記載されています。必ず要件に沿った散水システムを取り付けることが必要です。

また、メーカーオプションの散水システムを採用するようにしましょう。

粗悪品を安易に取り付けると、腐食やスケール発生の原因となります。必ずエアコンメーカー純正の散水システムを採用することをおすすめします。

まとめ

一言でまとめると、

安易に散水するのはやめましょう。故障の原因になります。

ということになります。

素人が勝手にエアコン用の散水機を取り付けるのはおすすめできません。

散水システムを取り付けたい方は、メーカー認定のエアコン業者に相談して、プロに取り付けてもらいましょう。

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